母が死んだら・・・。

  母が自分が死んだらどうなるのだろうと、つぶやいた。本当に不安である。この期に及んで自分自身にうんざりするのは、そんなことをつぶやいた母への心配よりも、残された認知症の父と生活を送らねばならない自分の将来の方を先に思い浮かべてしまった事である。父の認知症以来、自分にとって、母がいかに重大な存在なのか、改めて思い知らされた。母は母で正直、あまり体の方がよろしくない。以前はうんこを漏らしたりもした。その母の力を私はとても必要としている。できるだけ母の家事等の負担を減らそうと、私も仕事を手伝っている。幸いこのコロナの感染拡大により、職場は在宅勤務が増えており、私が自宅にいる機会も多く、母のサポートを行う上でとても助かっている。だが、今もし母が倒れてしまったらどうするのだろうか。

 今できることは、母を病院に入れて、父の世話を私がやる。金はどうする。時間をどうする・・・自分自身も確実に老いへの道を進んでいる。1分1秒が惜しい。