コロコロ変わるので過度な期待はしないが

 昨日は、父は、「自分が教員だが、何年を受け持っていたのか覚えていない」等と一人で自問自答し始めて、どうすればいいんだと勝手に悩んでいた。それまでは、明日、つまり今日のことであるが、まず病院にいって、その足で元の職場に行く等と張り切っていた。ところが、突然、「今は夏休みだから誰もいないんだようなあ」とか、「そもそも自分はどこのクラスを今まで受け持っていたんだ?」等と悩みはじめ、そこから、お得意の電話攻勢が始まる。当然、嫌われているため、みんなに居留守や着信拒否される(本当に留守だったのかもしれません・・・)。一人で悶々と悩んでいたが、こちらも少し、離れていようと思い、自分の部屋に引き籠ったら、今度は父がなんかギャーギャー騒いでいるので、戻ってみると、カッターの替え刃の付け方が分からない。今までは自分でつけていたのに、わからなくなったとのことである。私が色々試しつつ、つけ直すと、父は母に「あんたも直し方を学んでおきなさいよ」等と母に八つ当たり気味の文句を言っていた。

 私は、父に思い切って、「来年の4月に復帰するんでしょ。だったら、その前に一度病院にいったらどうなのか」と言ったら、父は、自分でも認知症なのはわかっている。ただし、自分は来年はとても授業できるとは思わない、そんな自信もない等とこれまでとは一転、異常なまでの授業を持ちたいという欲望が嘘のようになくなっていた。もっとも9月になって、夏休みが明けたら、また電話攻勢がはじまり、職場に行くなどと騒ぎだすのだろうなあ。そう考えると、うんざりする。