日程が理解できないようである。

 薬をもらいに行くはずの病院が夏休みで長期休暇であり、父が色々と建てていた計画が狂ってしまったようである。自分で計画を記載したメモ帳の記述を何度も見返して、「この日は皮膚科に、この日は内科にいくんだよな」といったことを、母や私に聞き返してくる。正直うんざりして、「こりゃ重度の認知症だな」などと私が厭味ったらしく言うと、父は「本当に忘れてしまうんだ」と、私の嫌味に返してくる。私の悪意はおそらく認識しているのだろうが、どうも父としてはそれどころではないようである。

 なんとか、母や私が説明して、今後の計画は修正できたようである。うんざりするようなやり取りではあるが、こんなことが毎日続いている。

 あと、ここ最近、妙に庭の木の葉を切りそろえている。正直切りすぎだろうとも思うし、ハサミ等危ないものを持たせたくはない。なんでこんなに庭仕事を始めたのだろうかと考えると、のんびり休んでいることに対する罪悪感があるのではないだろうか。父の認知症の原因の一つはこの勤勉さというかまじめさにも求められるような気がする。