また、身を引くだとか言ってるよ。

 件名の通りである。私が仕事から帰ってから、父は、私に身を引くことを伝えるために之から電話で連絡するという。2カ月前の私であれば、この言葉を聞いて、浮かれたり喜んだりしたであろう。でも、今の私は、苦笑が漏れてしまうのを押し殺しつつ、こんな遅くに電話しても出ないかもしれないけど、まあいいんじゃないか、等と電話㋾することを勧めた。偶然だが御一人電話にでて、父の世迷言に付き合ってくれた。恐らく似たような話はもう何度も父から聞いているであろう。

 本当にお世辞抜きで、父の下の職場の方々達は人格者だと思う。私であれば、例え、地位が上であったり、かってお世話になった人だとしても、自宅に電話をかけてきて、ここまで執拗に同じ話を繰り返されたら、何時かキレてしまったと思う。本当に申し訳ないと思うと同時に感謝を申し上げたい。

 これからは、父は自分が身を引くというネタで執拗に電話をかけるであろう。元の職場から終了の手続きを形だけでもいいから撮ってもらえると嬉しいのであるが、そんな茶番には付き合ってはくれないであろう。そもそも、父は本来働いていないし、非常勤講師として採用されているわけではない。すべては父の妄想に過ぎないのだから。