10年目

 父が今住んでいる家を建てて10年になる。本日は10年目点検を行う予定であり、父も同席する。実際は私が色々とやっていかざるを得ないのであろうが、まあ仕方ないことだろうとは思う。願わくば余計なことを言わず、つつがなく無事終了して欲しいものである。父は以前にも書いたが、自分の事で精一杯で家のこと等、あんまり関心が無くなりつつある。今回の点検に伴う建設会社とのやり取りも結局私がやった。しかし、それでも今回は多少はやる気になってくれたようであり、何とも不思議な気分である。

 昨日の夜は、この点検について、何度も同じことを聞かれて少々うんざりしたが、昨日の父について目立ったことはこのくらいだろう。

 あと、今日、いつもの通り元同僚の人が電話をかけてきてくれたのだが、どうも父はこの先生がどんな先生であるのか、父とどうゆう関係にあるのかも忘れつつあるらしい。職場のどの場所に座っていたのかは覚えているとか、古い記憶は残っているようである。こうやって記憶が一つ一つ薄れていくのか。私は4月以降、この父親には憎悪しか抱かないが、今日の一言は少しだけ響くものがあった。

 

 人生はあっという間である。やれることをやらなければ損である。その意味で父は、自分の人生の収支をどう考えていたのであろうか。損得や収支という考え方はなんかあまり品が良くない気もするが、やはり気になる所である。