薬を紛失?

 昨日は、冷蔵庫が故障し、新しい冷蔵庫を購入しに行った。何とか、明日30日は配送設置が行なわれるとのことである。助かった。この冷蔵庫自体は、約10年前に父が買ってきたものである。あの頃の父は、冷蔵庫が壊れるや否や、冷蔵庫の寸法を測り、迅速に電気店に行って、冷蔵庫購入を行っていた気がする。70過ぎていたにもかかわらず、体も頑健で頭も明晰だったと思う。

 ひるがえって、今回は、まるで人ごとの用である。父の頭の中は、恐らく、元の職場での自分の担当授業の有無や時間割の事ばかりなのであろう。なんというか、物悲しい気分になる。

 本日、朝、元の職場の方からの連絡によると、昨日は、5回電話があったとのことである。私や母が冷蔵庫やなんやらで不在だった時に父は、電話をあちこちにかけ続けていたのだろう。最近は我々の眼を多少気にするようになったのか、我々がいる時には、電話をかける頻度を少し落としている気がする。また、我々がいない時を見計らって電話をするという小賢しい(といわざるをえない)奸智を身につけたように思える。こういう姿を見た時が、私には地味につらい。

 あと、昨日、父は、医者に行った後、薬をどこかに忘れてしまったらしい。家に帰る前に立ち寄ったとされる、蕎麦屋と本屋に夜電話をかけていたが、同も見つからないようである。しきりに父は、ここ最近自分はおかしい、ボケている。申し訳ないと言っていた。自分の記憶がおかしいことは多少なりとも認識しているようである。ただし、元の職場の記憶については、頑迷なまでに治らないのであるが。

 

 ここからは、これまでの備忘録である。再三元の職場を出歩くようになったという話をした。この時期、母は、自分のかかりつけの心療内科に通って、先生に相談している。その際、私は、先生に対して、私は父の症状に関するメモを作成し、母を通じて先生に渡している。母によれば、そのメモを読んだとき、「ひどいな」といって、介護保険や包括センターに相談するようアドバイスをしたようである。同時期、私は父のかかりつけの病院に父の症状を話している。こちらの先生も父の症状を聞いてびっくりしている。「確定申告」を3月末に父は自分で作成して提出しており、そこから急に認知症と言われてもびっくりするであろう。こちらの先生からも、ある病院に良い物忘れ外来があるからと紹介こそされたが、ただし、この病院に連れて行くというのが厄介で、もう6月も終わりになろうという時期にまだ連れていけてない。

 ちなみに今日父は上で書いた薬の紛失を反省してなのか、医者を調べておいてくれと言ってきた。これは大きな進歩と心の中でガッツポーズをしたのだが、この10分後また、電話をかけ始めて、「自分を抜きに勝手に休職扱いになっている」等と文句を言っている。