卒業式に参加するらしい。

 昨日に引き続き、父は卒業式に参加する気らしい。確かに元の職場の日程を見ると卒業式と書いてある。父は、自分が卒業生と思っているらしく、学生服が無い代わりに背広で参加すると言った。私は大爆笑した。84才の高校生はもしかしたらいるかもしれないが、既に卒業しているだろうと父に言った。父は私の嘲弄を交えたアドバイスに半ば怒りつつ、自室に籠った。そして次に現れた時には背広というかジャケットのような上着を着て、鏡の前に立って満足気な表情を浮かべていた。私は又も嘲弄気味に卒業式に参加する気かと尋ねると、今度は自分は毎年教師として参加していたと、いきなりもとに戻った(元に戻ったというのも変な話で、そもそも、ここ十数年間参加していない)。私の悪意ある嘲弄にかなりお怒りの様子だったが、私は「毎年参加していたとか嘘を言うな、去年の今頃は入院していたぞ」とか大人げない正論を次々と父にぶつけたが、父はそれ以外は毎年参加していたとか、頓珍漢な事を言って自室に籠ってしまった。とにかく、昨日から父は卒業式に参加したいようである。当日は、現場もドタバタしている中、父を行かせるわけには行かない。年度末のくそ忙しいこの時期に色々やってくれると思う。本当にしつこい。