薬が切れた。

 タイトル通り、父の薬が切れたので、昨日は、私は職場を一度抜けて、かかりつけの病院に行った。病院の先生や職員は父の様子を私に尋ねると、私はすらすらと愚痴を吐き続けた。我ながら、電話攻勢を毎日かけて他人に迷惑をかける父を笑えないと思いつつ、ついついこぼしてしまう。悪いと思いつつ、他人の寛容に甘えてしまうのである。

 家に帰ると、父はまた、職場に電話をかけようと、自室から降りてくるところだった。対して重要なことでもないだろうからこんな遅く電話をかけるなと父に言うと、また、父は怒りだしそうになったが、父も父で、「えーえー、重要なことでないですよ」と私や母の指摘を無視する形で、電話をかけ始めた。私はもはや止める意欲もなく、自室へ引きこもった。母も黙々と食事の準備を始めた。異様な家族の光景であることは認めるし、電話をかけられた側にとっては良い迷惑だと思う。しかし、私達はもう疲れてしまった。酷いエゴだと承知なうえで、この怪物の行動を放置してしまっている。

 この怪物と毎日の暑さで母が体調を崩さないか心配である。