学生服を探す父

 昨日は、日中、父は大人しく過ごしていたような気がする。私も在宅勤務だったこともあり、家にいた。しいていえば、布団を押し入れに入れようとした時に、カテーテルとチューブがはずれてしまい、おしっこが股引やズボンにかかってしまったことぐらいだろうか。これは正直全く問題は無い。なぜなら、チューブが外れたという原因が明確だからだ。すぐに着替えを用意し、あっという間に対応完了した。

 それからは、ほとんど何もなく一日が過ぎて行った。ところが、夜中の0時を過ぎたころ、急に父が「学生服はどこにある」と騒ぎ始めた。これも実は今回が初めてではない。どうも父は自分が大学生と思う時がしばしばあるみたいである。父の学生時代はセレモニーがあると当時は大学生でも学生服の時代だったから、恐らく寝ている間に、大学生時代に頭の中身だけタイムリップしてしまい、挙句、何かセレモニーがあると勘違いして、そのための学生服が必要と思ったのであろう。母がこんこんと説得した結果、何とか落ち着いたらしく、眠りについた。私は年度末の仕事が終わらず、部屋にこもりきりであり、すっかり母に任せてしまった。改めて感謝である。