ぶつくさ言っているのを無視する。

 昨日は、特に何かあったわけではないが、やはり夏休みがおわりつつあるということで、父は落ち着きがなくなっている。「どうすればいいんだ~」とぶつくさ言っていた。私は、父の言葉については無視し続けている。対話はしない。どうせ、正論を言っても聞きやしないのだから。

 最近は「体力がないから、もう授業はできない、」、「体力がないから、今年で辞める」とか言い始めていることは以前も指摘した通りである。しかし、こうやって、落ち着きが無くなっている姿を見る限り、やはり、まだ、授業をやろうとしていることは明白である。私は最近、むしろ職場に行くことを勧めている。なかば、嫌がらせに近いものと言われても仕方のないことではあるが、いっそ、恥をかいて欲しいのだ。すぐに忘れないくらいみっともない大恥をかいて欲しいのである。だから、私が授業に出て欲しいというと、私の悪意に気づくのだろうか、やたら不快な表情をする。おそらく、心の奥底で、自分の体力や年齢ではもはや無理だということは分かっているのだと思う。

それでも父親は仕事がしたいのだと思う。その志は立派だと思うが、その思いでどれだけの人に迷惑をかけたかと思うと、私はどうしてもその御立派な志が許せないのである。

 父の中で様々な思いが交錯しているのを見るのは、最近面白い。ひどいと思われるかもしれないが、私は自分の気持ちを否定するつもりはない。私が精神の均衡を保持するためにはこうした、冷めた態度が必要なのだと思う。私の体は私だけのものでないことをこの数カ月イヤというほど思い知らされた。私が元気でなくてはいけない。