しつこく例の宗教団体からお電話

 昨日は、朝からお腹が痛いといって、父は、朝6時ぐらいからトイレに入っていた。トイレを出てからも布団に籠っていた。私は十中八九、何かの大病を患っているのではないかとにらんでいる。だがこの男は、ことが起きてからでないと重大さが理解できない。検査を受けてその診断を受け止める勇気は持っていない。早期発見の重大さを全く理解する知恵も持ち合わせていない。私は検査を受け病院に行くことを進める意欲がわかなかった。

私が色々と逡巡している時、例の宗教団体の信者である父の妹から電話があった。私は布団をかぶって寝て居る父につないだ。本当は取り次ぎたくないのだが、あまり何度も無視するわけにはいかず、仕方なく取り次いだ。私が聞き耳を立てる限りでは、先日の内容と同じで大腸がんの検診を受けるとのことである。そして、どこの病院が良いか教えてくれとのことである。先日の電話ではすでに検査する病院は決まっていると言っていたが、どういうことなのだろうか。また、電話を切った後、父によれば、「正直何を言っているのかさっぱりわからない、何しに電話をかけてきたのだろう」とのことだった。時々、「教会の神父さんがなんたらかんたら」といった事を言ったらしい。「教会」なんて言うワードが普通に飛び出してくるところからも、まだ件の宗教団体とは縁が切れていないことは明白である。

 父は、私に今度、妹から電話があったら、居ないことにしてくれと言った。実の妹にそれはないだろうと思いつつも、要領を得ない、そして何を考えているのかよく分からない電話に付き合わされるのは、今の父の理解力では酷な話だとも思った。

 電話が終ったあと、父はトイレに駆け込み、うんこをしたようである。私は前にあったおしっこが尿道や膀胱に詰まったのではないかと疑っていたのだが、どうもそうではないようである。その後、すっきりしたのかどうかわからないが、呑気に自室に布団に入って寝てしまった。