畳一畳の王

今の父を見ると、まさに畳一畳の王という感じである。布団の中で生活が完結しており、私や母を呼びつける。私も母も疲労困憊である。おまけに父はついに幻覚が見え始めたようである。虫がでてきたとか、「ハ」の文字がびっしり視界をうめつくしたとか、想像しただけでも恐ろしいことを言い始めた。レビー小体型認知症ではないかと勝手に邪推したが、私は素人の生兵法は良くないと思い、父に病院で診てもらうようにいったら、「なんか良くなった」とか言い始めた。結局今日の処はおさまったようであるが、脳神経外科とか認知症外来に行くことを進めると途端に治る幻覚って何なんだろうとあきれてしまうと同時に、ここまでボケても強硬にこれらの病院に行かないその態度に驚かされるのである。

 30日(月)の朝から、早速おしっこを捨てる捨てないで、朝から起こされた。母からしたら睡眠を削られることになるので、私は母を寝かし、父のおしっこを捨てた。はた迷惑なことこの上なく、上でも書いた通り、疲労困憊なのだが、私は早起きする良い機会を父からもらえたと良いように解釈することにした。久々に自分に課していたルーティンを復活させることができた。