なんだかんだ幸せそうではある

 昨日の父は、仕事で使うタイプライターを買いに外出した。当たり前だが、タイプライターを販売している店等、今日日聞いたことが無い。だが、父は私達がかって住んでいた場所の近くに売っている店があるとし、飛び出していった。飛び出していったといっても一駅隣りなだけなので、私も止めるのも面倒くさくなり、飛び出すがままに放置していた。私は、父が外出し、母が買い物に出かけている間にエアコンの掃除とメンテナンスをした。やがて、父は帰宅したが、店はGWで閉まっていたから、帰ってきたとのことである。本当にそんな店があったのか甚だ疑わしいが、何故かお寿司を買ってきており、私も少し相伴に預かったので、敢て深く突っ込むのをやめて、父とともに寿司をパクパクと食べた。なんというか、父がボケてから、私と父はよく一緒にご飯を食べることが増えた気がする。私は、以前のブログから書いている通り、父に対しては、もはやどうでも良い、むしろ憎しみや憎悪すら抱いているが、その一方で、なんというか、よく分からない感慨も同時に自分の中で沸き起こるのである。ただし、このような感情があるからこそ、父が何か人に迷惑をかけたりすると、より私の中で不快感が増幅することもわかっている。変に父に期待してしまったりすると、何かやらかした時、父に対する憎悪も反動で増幅してしまうのである。

 そんなこんだで、昨日は父は大忙しだった。自分の手帳を眺めながら、「忙しい、忙しい」と悩んでいる父の姿を眺めていると、「この人は幸せなんだろうなあ」と思う。もう、現実の世知辛い世界から離れてしまい、後は過去の若かった自分に戻ってしまっている。私や母をさっさと置いて行ってしまった。