もう、七月も終わりなのか。

 早過ぎだろ。父の認知症はおそらく、去年の6月に比べれば、何がしか悪化というか進行しているのだろう。しかし、今のところ、その悪化なり進行の形跡が私にはわからない。去年の今頃、父は日付や日時の感覚が完全にマヒしていったように思える(私や母が分からないだけで、既にマヒしていたのかもしれないが・・・)。

 去年と比較すれば今の時期、特に変化というものは感じない。というより、私達が慣れてきたということもあるのかもしれない。慣れによって、父に生じる変化を見落としている可能性もあるかと思う。

 昨日の父は何をしていたか。一日中、夏休みということで、家に居た。私も休みだったこともあり、ずっと家に居た。父も私も本当に何もしなかった。本当にボケっとした一日を過ごしていた。私は、以前、父がこの十数年何も新しいことに取り組まなかったことや父が本質的にぐうたらな人間であると批判してきた。昨日の私は、そんな父と変わらず、組んでいた壮大な計画もあっさり破綻してしまった。そして今日も同様である。今もぐうたらテレビを見ている父を見ていて憎たらしくなるのは、自分の姿そのものだからなのだと、改めて思う。