約2カ月ぶりの元の職場への襲撃

 昨日、父は、約2カ月ぶりに元の職場への襲撃を実行した。朝、6時半頃、父が起きてきたので、この冬の寒い時期に起きてくるのは珍しいと思ったら、案の定、仕事があるから準備をしなければならないとの事。私は行く必要はないと何度も説明したが、その度に、私の言動をあざ笑うかのように、自分の仕事についてペラペラとまくし立てた。私は呆れかえって、それ以上の事は言わなかった。以前の私であれば、一つ一つ論破しにかかったのだが、認知症の人間を論破したところで意味はないのだ。いや、認知症の人達にも色々とあるから、ひとくくりにしてはいけないのだが、父に関しては、論理の整合性等、もはや関係ない。元の職場へ行くという欲望がすべての事象を超越するのである。だから、説得等無駄なのである。あとは本人の気の向くままにやらせるしかないのである。その欲望の赴くまま、朝、8時半に出て行った。つくづく出かける後姿がバカみたいだった。社会人というコスプレをしたおじいさんそのものである。

 私は、元の職場に父が向かってしまった事を連絡した。有難いことに、この忙しい中、父の相手をして頂いたようである。こんなブログに書いても仕方ないのだが、改めて感謝申し上げる次第である。

 先方の方から、一時間ほど喋った後、元の職場を離れたとのことである。結局帰ってきたのは午後の1時であった。父に話を聞くと、広尾の方まで行って手帳を買いに行ったとのことである。ずいぶんとあちこち尋ねたようである。

 帰宅後、父は何しに行ったんだか自分でも分からないとか、ぶつぶつ喋っていた。そして、少し横になった後、今度は、元の職場に執拗に電話攻勢を始めた。今日の午前中の襲撃は一体何だっただろうと、横で見ていて改めて思う次第である。私がそのことを父に嫌味ったらしく言うと、父はムッとしたようだ。今日、父に振り回された身としては、愚痴の一つも言いたくなるのである。バカみたいな一日だったともあって、私は、早く寝てしまった。異常な体力の持ち主である父もさすがに早く寝たようである。