10日の風呂

 題名通りである。10日ぶりに父は風呂に入った。相変わらず、入る際の色々な約束事を忘れてしまっているが、今までと比較すると割とスムーズに入ってくれたような気がする。風呂から出た後、あれが無いこれが無いと騒いでいたがすぐに見つかり、事なきを得た。なんでも本日、元の職場に出勤するために風呂に入ったようである。いつもの出勤すると言ってグースカ寝て居る「出勤サギ」の時と異なり、今回は風呂に入ったので、もしかしたら本日、本当に出勤するかもしれないと思い若干緊張している。

 昨日は、風呂以外は、いつもの電話攻勢を少しだけ仕掛けたようである。来なくて良いとやんわり言われていたようだが、どうなることやらである。自分に都合の悪いことは簡単に忘れてしまうのである。脳内でコルチゾールが忘却させてしまうのかもしれない。私は、この忘却機能が無いと人間は脳内のキャパシティが満杯になり機能しなくなると聞いたことがある。父の事を心底図々しい人間だと思っていたが、この機能が誤作動を起こしていると言えるのかもしれない。どのみちはた迷惑なことには変わりないが。