風呂に入る(前回、11月7日)

 昨日、父は、元の職場を含めて、あちこち電話攻勢を仕掛けていた。毎度のことである。以前も書いたが、書類提出期限は11月7日であり、とっくに過ぎているにもかかわらず、まだ作ろうとしている。タイプライターだのなんだの本当にしつこい。しかし、数時間立つと今度は作らなくても良いとか言い出す。この頭の中の変化のスピードの速さに私はついていけなくなりつつある。

 なんというか、父は文章をそのまま理解するというか、その文章の背後にあるコンテクストやら、他の事と関連付けて文章を解釈するといった事が本当にできなくなっている。例えば「〇〇先生は試験監督無し」という文面があったとすると、普通の人は、〇〇先生の御役目としての試験監督はありません、しなくて良いですよ、ということになるのだが、父の場合は、父が試験を受ける側で、父が試験を受けている間、誰か他の人が父の解答作業を監視する監督が無し、というトンデモ解釈になる。だから、父は「何で自分が試験を受けなければならないのか」、「監視されるいわれはない」、「誰が自分を監督なんてできるんだ!」などと、一人で見当違いな方向でギャーギャー騒いでいた。私が、上記の事について説明すると、何とか分かってくれた。

 あと、父はなぜか風呂に入った。別に入ることは、毎回言うようだが、私は大歓迎である。一か月風呂に入らないとか不潔な時期もあったので、最近の傾向はとても嬉しい。そして風呂から出た後が、上記の問答である。

 おそらく、本日、元の職場に出かけるつもりだったのかなと思う。しかし、11月14日午前9時25分現在、父は二度寝モードに入っている。