久しぶりの入浴(いつぶりか?)

 昨日、父は、なんか職場に行くとか言っていたが、結局行かず、いつもの通り、しつこく電話攻勢を仕掛けていた。お休みにもかかわらず、本当に申し訳ないと思う。その電話をかけていたうちの一人のご家族の方に、自分の夫が間もなく介護施設に入ると言われたらしい。これを聞いた時、父はどう思ったのだろう。私は直接その場にいなかったので、わからない。気がついたらテレビを自室でダラダラ見ていた。その方は、父の同僚で父よりも一つ上ぐらいの年齢だが、ほぼ同期の方だったと思う。だから、父がどういう心境になったのか甚だ興味津々ではあったが、その一方で、何か聞くのも酷な気がして、躊躇した。でも、私は確実に予想できることがある。それは父の中で、この同僚はまもなくなかったことになる。あるいは死んだことになる。嘘みたいな話だが、本当の事である。散々認知症になった父を心配してくれた元の職場の同僚の方が退職したとたん、全く見向きもしなくなり、その方について私が尋ねると「亡くなった」とか言い放ったこともあった。

 自分の脳内で作り上げた都合の良い世界と整合性が図れなくなると、父は平気でこういう思考をとる。自分の自我というか意思を守るために平気で記憶を改竄する。認知症特有のというより、父特有の保身と臆病な性格に起因するものだろうと思う。私はこの2年、間もなく3年目に突入する認知症の父との生活の中で学んだことである。

 あと、昨日は久しぶりに入浴した。何時振りか、ちょっとメモをしていなかったのでわからないが、かなりご無沙汰であった。これに関してはまあ、良かった。